「虚無僧(こむそう)」という言葉を聞いて、何を思い浮かべるでしょう。
深編笠を被り、「明暗」と記した偈箱をさげた印象的なその姿でしょうか。
時代劇で隠密として活躍する一コマでしょうか。
いずれにしても、虚無僧とともに尺八の姿が浮かびます。
普化宗の修行僧であり、尺八の吹奏を禅行としたとされる虚無僧。
彼らは普化宗が誕生する以前方、「薦僧(こもそう)」として尺八を吹奏することで生計を立てていたともいわれています。
実は虚無僧の実像については、現在もはっきりしない部分が多いのですが、
虚無僧と尺八の間に深い縁があったことはうかがい知ることが出来そうです。